Dangerous Mind

Dangerous Mind

2020.2/1〜2/15

2/1 Sat
ショートカットキーはできるだけ複合キーにせず、一つのキーで一つの機能を対応させる。
例:"ctrl + z"を改めて"z"だけにする。

2/2 Sun 
川沿いを散歩していると、どこからか「ケ・セラ・セラ」のメロディが聞こえてきた。
マック・ミラーの「Circles」を良く聴く。故人が残した素材に要素を加えてリリースされたもの。結局のところ良い作品であれば、良い。The Beatlesで一番好きな曲はFree as a birdとReal Loveだ。バーチャル美空ひばりは全く良いものに思えなかった。


2/3 Mon
近所の教会で、休日の午前中にだけ開いている喫茶室に行く。ケーキがテーブルに配られて、皆で聖歌を歌う。自分は仏教徒に近い無宗派だが、人間以上の存在が中心のコミュニティが世界中あちこちに築かれていて、そこでは、建前上だとしても、老いも若きも、富める物も貧しき物も、神の前に平等であるのは、素敵な事だと思う。

2/4 Tue
「夢がかなった」のリズムを作成中。とにかく粗い、乱雑な音で知らないバンドが練習していて、それをスタジオの防音扉の隙間から盗み録りしたような、そういうリズムセクションが欲しい。それを2小節だけループさせる。パーツはセパレートしていなくて良い。
希望していた保育園に受かった。毎日送り迎えする事を考えると、多少遠くても川沿いにあるのが嬉しい。

2/5 wed
BGM制作。「和」を電子音で表現する、というのは割と長年取り組んでいるテーマかもしれない。日本の古来から伝わる神事は、アナログよりもデジタルに親和性があるのではないだろうか。音色の印象(笙とか)が電子的だし、事物の捉え方にも、そういう傾向があるように思える。たとえば、岩戸の前で踊りを踊ったら、アメノウズメが顔を出したり、出さなかったりするのも、デジタル的な0/1の関係と相似に思える。
でも、元々そう思ったきっかけは、神式で行われた自分の結婚式で、BGMとして流れていた雅楽(CDではなくテープだった)が曲の途中でフェードアウトするでもなく、宮司に直接停止ボタンで、ガチャッと切られたその瞬間だった。ここでは、出来事は常にONかOFFであり、その中間領域、グラデーションというものは存在しない。その出来事は私に、神道とデジタルとの親和性を予感させた。

2/6 Thu
アール・スウェットシャツの新譜が全部素晴らしい。ラップというより、フリージャズにポエトリーリーディングが乗ってるような印象に近い。ドロドロしていて60年代的で90年代的で、サンプリングでこの印象を出してくるのはひたすら斬新でカッコ良く思える。
おかげで、自分のソロについても、多少節回しのついた詩をオケの上に乗せて朗読しているだけ、という認識に思い至れた。

2/7 Fri
「夢がかなった」の歌を整え続ける。歌や楽器のソロのレコーディングには大きくわけてワンテイク主義と気が済むまで無限に修正主義があると思うが、今回は曲ごとに、そのどちらかに極端に針が振れている。修正といっても、ある意味、どんどん歪になるように修正している。音程の整い方や、単語の発音の仕方が、確実に美しくて歪なポイントというのがあり、そこに近づけるために、何度も修正していった末、結局何もいじってない元テイクを採用したりしていて、それを毎朝4時か4時半、起き抜けにすぐ取り組む。

2/8 Sat
クインシージョーンズの伝記映画を見る。

2/9 Sun
井の頭動物園内の彫刻館での拓海君のコンサートへ。初めて吉祥寺に降り立った娘はあまりの人出に目を白黒させていた。「人間ってこんなにいるんだ・・?」みたいな感じで。
彫刻館は長崎の平和祈念像を制作するために建てられたアトリエで、彫刻家はこの場所で巨大な像を完成させ、それが長崎に運搬されたらしい。

2/10 Mon
早朝から「夢がかなった」を歌い直し、歌い直した歌を、また修正する。
毎朝、陽の光のもとで、昨日自分の描いた物を確認して修正する画家のような生活。

2/11 Tue
「劇場」という曲に取り掛かる。Dos Monosのアルバム「Dos City」が素晴らしくてリピートで聞いている。この作品は爆発している。

2/12 Wed
仕事関係の仕上げで時間がかかる。

2/13 Thu
「星座」のトラックを作る。リズムはCR78の音色。このスネアやハットのリズムマシンのテイストやノリがどうしても、生理的に好きなんだけど、どうしてそこまでDNAに刷り込まれたのかと言えば、ユニコーンの「人生は上々だ」のイントロである事に最近思い当たった。生まれて初めて自分でレンタルしたアルバムは「服部」だった。どうして借りようと思ったのか、思い出せない。福岡市の、今はなきWOODLANDというレンタル店にて。

2/14 Fri
小森君企画「エレクトリック・ウィンター」。ギターで出演。他の人も全部ギター。ギター9人。ギャインギャイン、ギュインギュイン、チャーン・・・、みたいな3時間を皆で共有する。

2/15 Sat
今日も川沿いの駄菓子屋でビールを飲む。時々壁のない場所で飲食するのが好きだ。

2020.1/16〜1/31

1/16 Thu
夕方、散歩する。造りかけみたいな黒い家の、造りかけの軒先でチェロを練習している中年男がいる。その後「宗教音楽研究所」という広大な敷地の前を通りかかる。面白そうな施設が点在してるんだよな、この町。駅前にはスタジオとギターリペアのショップがあり、楽器を持った人間にも良くすれ違う。

1/17 Fri
円盤でソロライブ。イベント全体での客が2人。月曜は5人だった。合わせて7人。全員の顔を思い出す事ができる。どうもありがとう。

1/18 Sat
41歳になった。41は身に迫ってくるリアルさのある数字じゃないだろうか?素数だし。娘なんか0歳だ。彼女がハタチの時、私は61歳だ。ところで61も素数じゃないか?
41になって、ますます替えが効かない仕事、自分にしかできない仕事をやらねばと思うようになった。「仕事」と表現しているのは今、他に適当な表現が思いつかないだけで、必ずしもそれで金を稼ぐ必要もなく、とにかく自分にしか成せない表現を突き詰めて、少しずつ形にして残していく事だ。

1/19 Sun
安岡力也と一緒に高円寺で任侠修行している夢。くだらなすぎて自分でも呆れる。


1/20 Mon
41でも小学生の頃の事をいまだに夢で思い出す。記憶の底に刻まれているのだ。子供の頃が一番人を傷つけてしまった気がする。そういう事をするとこうして後々まで夢に出たりして悔い続ける事になるのだ。子供の頃は、どうせ大人になれば瑣末な事として忘れるだろう、と思い油断していたんだろう。でも、そうそう人は忘れたいようには、忘れられない。

1/21 Tue
KANYE WESTの近年のアルバムばかり聞いている。正負がないまぜとなったパワーの総数を感じる。他の音楽には無い一種の禍々しさというか、それはMAGAMAGAしさなのかもしれないが、そういうものがある。

1/22 Wed
日記をPCへ入力する作業に取り掛かった。

1/23 Thu
終電後に松屋でカレーを食べていた。向かいの飲み屋にはパトカーがランプを点灯させたまま停まっていて、ガラの悪い男女が、尋常じゃない大声で警察官と談笑していた。奥に一人でいる店員は、彼らと全く目を合わせずに、散らかった店内を片付けていた。

1/24 Fri
あるインタビューの整音作業。最近はレベルをだいたい決めたら、BGMのMono領域に声をトリガーにしてサイドチェインEQする。

1/25 Sat
図書館で借りた松本清張「ガルネアデスの船板」。戦中、戦後の学者先生たちの転向をダシにしたミステリー。戯画化して描かれているにしても、まあこういう類の事は色んな領域であったのだろう。こういう話を読むにつけ、人間一人一人が気骨を持って、いま自分自身が向き合っている小さな物事に向き合っていかないと、時流やら何やらにうまく乗ったつもりで結局飲み込まれるのだと、そういう教訓が含まれた話である。

1/26 Sun
ソロアルバムの制作に取り掛かる。アルバムというよりは、曲を一つ一つ、音源としての完成体に近づけていく作業である。

1/27 Mon
娘の高校選びを手伝っている夢。「佐世保高校」を志望していた。長崎へ行くのか?夜は早稲田Rinenでライブ。PAアイちゃんと久々の再開。ライブは楽しくできた。バンドはまた少しずつ変化しつつある。

1/28 Tue
6ヶ月検診。さそうあきらの漫画に出てきそうなオッサン先生は相変わらず良い感じだった。

1/29 Wed
「世界」の作業。この曲はライブで、いつも1曲目にやっている。コード進行もメロディも、初めて歌を作った人が作った試作品のような曲である。「中高年からの作曲教室」に提出したら、もっとコードやメロディや言葉の節回しを工夫して、また来週出してみましょうね、と言われそうな曲。仮に朴訥という表現で褒めてくれる人がいたら、申し訳ないけど、その人はわかっていない。朴訥より以前のものが、必要な曲なのだ。それを、どうアレンジに落とし込むのか。
「夢がかなった」という曲にも取り掛かる。この曲は先に 「音のエスペランサ」に提出したバージョンがあり、そちらがすでに完成型に近いのだが、歌詞を多少変えたりした。

1/30 Thu
渋谷クアトロにThe New Mastersoundsのライブを見に行く。一曲目の出だしのフィルから持って行かれる。これまでそんなに音良い印象なかった会場だけど、今回は良かったなあ。

1/31 Fri 
半ペラの紙資料で判断されるのだから、流通させる側も、その半ペラに載せられるような人材を一人でも増やせるチャンスがあれば、声をかけるわけで、そういう歪みがプロダクトの人選に関わってくると、こちらとしてはちょっと元気がなくなったりもするものだが、まあ、自分の作品ではないので、好きにやらせるのが良いと思う。

2020.1/1〜1/15

1/1 Wed 
2020年が明けた。4時に起きる。初日の出を見るために駅前の一角に人が集っているので、自分も加わったが、その場所からの日の出は、辛うじて、ほんの端がビルの隙間に垣間見えただけである。しかし人々は満足気な表情で徐々に解散していった。一体何だったのか。

1/2 Thu
母と柴又へ来た。思っていたよりも普通の住宅街みたいなエリアである。佐藤蛾次郎が歩いていたらきっと浮くだろう。寅さん記念館by山田洋次みたいな施設は映画づくりという仕事への誇りと情が感じられる、万人に開かれていながらも深みがある展示で心に残った。帝釈天は人が多すぎて退散。オフシーズン(正月=男はつらいよのイメージがいまだにあるので、年始はシーズンなのだと思う)にじっくり見学したい。

1/3 Fri 
母の東京滞在最終日。いつもはテレビで観戦している箱根駅伝のゴールシーンを見に読売新聞本社前に行くと、さすがにすごい人混みと応援の熱気。鳴り物と、チアリーダーと、とにかく老若男女沢山の人。選手が駆け抜けるのを群衆の隙間にチラッと見ただけだったが、母が満足したので良かった。今年の盆か正月には、娘と一緒に帰郷したい。

1/4 Sat
殆ど脅しのようなサポート終了に関するニュースを方々で目にしていたWindows7をWindows10に更新する。更新はオンラインで、アプリも設定も引き継がれ拍子抜けするくらいにスムーズ。当初のインフォメーションと違い、金もかからなかった。こんな事ならもっと早くやれば良かった。

1/5 Sun
Kensingtonのホイールマウスのドライバーがwin10上で不調。しかし汎用性がより高いフリーのプログラムがあっさり見つかる。スタジオでも同じホイールマウスを使ってるのよく見るけど、本家のドライバよりもこちらの方がボタンの組み合わせに、より細かく機能を割り当てられるのでオススメです。
https://x-mouse-button-control.jp.uptodown.com/windows

1/6 Mon
デーモンズのライブを見ている夢。極端につんのめった8ビートに大柴の歌、というか叫びが乗る、それが繰り返されるだけの、シンプルで呪術的な曲。

1/7 Tue
騙されたと思ってポータスタジオ(20年くらい前のTASCAM製カセットMTR。ハンディタイプ)に2MIXを通してみると耳馴染みよく、サラッとした小慣れた感じの音質になった。テープに録るのではなく、回路を通すだけ。いや、素晴らしかった。

1/8 Wed
インターステラー」を再見している。理解できない。登場人物たちがあまりに情で動きすぎるように思える。確かに、人間は感情で動くものだが、この設定でそれをやるにはもう少し特別な動機が必要なんじゃないだろうか。愛によって次元を越える、みたいなのも、普通に意味がわからない。愛で次元がワープできたら、愛が次元ワープに対して都合良すぎなんじゃないだろうか。近年、科学や量子力学はオカルト的な領域に近接しつつあると言われるが、とにかく、自分には腑に落ちない話だ。

1/9 Thu
昨年発足させたカセットレーベル「牙レーベル」を軌道に乗せたい。

1/10 Fri
ゴスペルのボイスサンプルを大量に使った制作。ゴスペルコーラスのサンプルをメロダインで分析してみると、必ずしも綺麗に和音になっているわけでもなく、外れた音が適度に混ざっている事によって厚みやコクが出ているのがわかる。

1/11 Sat
前の家から合わせて5年くらい使っていた犬型のwifi中継機に限界を覚え、今度は普通に中継機の形をした中継機にしてみた。中継能力は上がった。

1/12 Sun
家事分担については何度話し合っても話し合い過ぎるという事はないだろう。

1/13 Mon
神楽音でソロライブ。今日共演した面白い人たちのカセットテープを牙レーベルで売りたい。

1/14 Tue
昨日神楽坂の本屋で買った「公の時代」が、とても面白い。うっすらと視界に降り積もった靄を取り払うのに有用な本だ。

1/15 Wed
折り紙職人の手技を際立たせるためのBGMはどんなものが良いのだろうか。

2019.12/16〜12/31

12/16 Mon
「まつり」カセットダビングがようやく一段落した深夜、今回のライブのために購入したアコギ用のピックアップがサイズが合わなくて付かない。ヤスリで削っても付いてくれない。養生テープでとめる。


12/17 Tue
結局ライブ当日まで「まつり」カセットダビングは続いた。というのも、カセット特有の冒頭の録音不可部分の目測を誤っていて、最初のダビングのほとんどが、頭が数秒欠けてしまっていたのだ。
ライブは楽しかった。まだまだフルスイングでアホな事ができる30代(中〜後半)バンドHmountains、神楽音ほいさーさん、FOLKY FOAMYの皆さん、どうもありがとう。

12/18 Wed
子の集団BCG接種。令和になってもBCGの針はあの麻雀牌みたいな、ボツボツが六つある、ハンコみたいな四角いヤツをブッ刺す方式で、もちろん思いっきり痕がついて消えない。接種会場は日本有数の巨大団地エリアだった。次来る時はもっと落ち着いて散策してみたい。

12/19 Thu
鍋の予定だったがメンバーが風邪で中止に。年末ですね。

12/20 Fri
秩父のI夫妻が来る。娘を見に、色々な人が家に遊びに来てくれて嬉しい。手書きのオススメ絵本の情報誌(小さめのノート半分くらい)と長新太「人間になった肉マンジュウ」、そして手作り人形のプレゼント。こういう唯一無二の贈り物がサラッとできる人達は素敵だ。

12/21 Sat
近所のスタジオにて歌の録音。今ひとつ良いテイクが出ない時は、歌っている状況や、場所などのシチュエーションを設定するのも良い。

12/22 Sun
久々にやや立て込んでいて嬉しかった仕事が落ち着いてきて悲しい。「まつり」ライブも終わったし。寝る。

12/23 Mon
MAで都心の中規模スタジオへ。たまにこういう所へ顔出していると、何だかちゃんとした音楽関係の仕事をやってるような感じが、少し自 分の中に出てくる。

12/24 Tue
山口やまぐAnother Hell Meetingのライブ音源の音調整をお願いされる。公民館で録られたタイトル即興のライブ音源(自分がギターを弾いている)。山口やまぐ氏が「地獄」という言葉が好きなのはどうしてなのか。単に派手で悪そうな言葉だから好きなのか、それより深い理由があったりするのか。リチャード・ヘル氏は芸名の由来について、どのようにコメントしているのか。ランボーか。思いのほか、良い音源に仕上がった気がする。

12/25 Wed
ハウススタジオで録音。子供関係の案件。親になったからと言って、子供全般が急に得意になったりするわけでもない。

12/26 Thu
武田氏のソロライブ用の「ホテル・カリフォルニア」のカラオケ音源を、本人監修の元、完成させる。そのまま他メンバーも合流してバンド忘年会のようなものを行う。活動20年近くの我々にはちょっと珍しい事だ。

12/27 Fri
Sさん、Tさんとモツ鍋。また色々と出産祝いをいただいて、大変ありがたい。良いカメラで写真をとってもらって、拡大すると娘の目が全然笑ってなくて面白かった。

12/28 Sat
ほどよい年末感とともに、疲れ始めている。

12/29 Sun
H君の家で最高のカレー(何品もある)をいただく。耳を動かしながら英語をしゃべるウサギの人形を娘が気に入っていた。

12/30 Mon
近所の市場へ買い出しに行く。力士が肉を売っていて年末っぽい。

12/31 Tue
娘は5ヶ月でまだ長旅は無理と判断したので、今回は母親が博多からやってきて正月を過ごす。

2019.12/1〜12/15

12/1 Sun
来日中の友人夫婦が娘に会いに来てくれる。初めて生の英語に触れた娘はビビってしばらく泣いた。LAで出会った彼らは、その後、ロンドン、北欧、オレゴンなどに次々と拠点を移し、来年からは日本で働き始めるとのこと。その間、西武新宿線から西武池袋線に移っただけの私たちである。

12/2 Mon
サボテンレーダーのカセットを部屋で量産する日々。両面合わせて90分以上の大作を一台のデッキで作っていて普通に大変。ボロ車のカーステに突っ込んでアリゾナあたりを爆走してほしい。

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12/3 Tue
保育園の書類を提出。家からやや遠くて、庭にヤギがいる園に入れると良いな。

12/4 Wed
基本的に夜中しか作業ができないので、精神状態も徐々に暗闇になってくる。

12/5 Thu
「まつり」カセット発売記念ライブの会場が諸事情で二転三転しており、そのやりとりに追われる。最初に決まっていた会場は、防音工事を施してレイアウトを変更した結果、より階上からの騒音の苦情が来るようになってしまい、今回の内容的に難しくなってしまった。他でやるか、内容を変えるか(サイン会とか)、中止するか、というところ。

12/6 Fri
リハ、カセット作り、会場探し、リハ。

12/7 Sat
サボテンレーダーライブ。一応アルバム「WILD WILD WEST」のカセット発売記念イベントである。

家で一人で無限に音楽制作ができるようになった現代でも、やはり人間が集まって演奏する事でしか発生しない種類の音楽はあると、特にこの3人で演奏すると思う。逆にこういう類の音楽を家で一人で作っている奴がいたら、それはそれでイカれてるので会ってみたい。

12/8 Sun
早稲田Rinenにてイツロウトポロジーズのライブ。トポロジーズはいったん終了。

12/9 Mon
二転三転していた「まつり」カセット発売記念ライブの会場が神楽坂の神楽音に決定。しかし開催8日前である。カセットの本格大量量産に入らなければならない。毎日こんなアホみたいな事をしていて、羨ましい人は本当に羨ましいだろうし、羨ましくない人は本当に羨ましくない事と思う。自分は本人なのでどうでもいい。それよりダビングしなくてはならない。

12/10 Tue
最高のカセットジャケが送られてきて発奮した。

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12/11 Wed
インタビュー録音の仕事は、電車や街ですれ違うスーツを着た人たちが昼間、どんな場所でどんな時間を過ごしているのか、その一端を垣間見る事ができるのは良い。

12/12 Thu
「まつり」カセット発売記念ライブに人を誘うが、色良い返事がもらえず落ち込む。人望が無い。でも正直なところ、付き合いで見に来られても嫌なので、人望など無くて構わないし、そんな物は犬にくれてやりたい。

12/13 Fri
「アイ・トーニャ」はドキュメンタリーを装った劇映画というアイデアがバッチリで、編集も工夫されていて面白かった。音楽の使い方も良かった。

12/14 Sat
吉祥寺NEPOにてOWKMJのライブ。久々にハードコアなバンドとの対バンで浮いてたけど良かった。早起きがたたって、本番が終わったらエネルギー切れ。3日後に迫った「まつり」カセット発売記念ライブの告知も中途半端な形に。もちろんバンドメンバーなんか一人も来ない。

12/15 Sun
子が生まれてから水道代は3倍、電気代は2倍になったが、ガス代は変化なし。水道代の変化が圧倒的だが、水漏れではなく、増え続ける洗い物を考え無しに次々洗っていたらこうなったのだ。

2019.11/16〜11/30

11/16 Sat
駅前のスタジオで、先日録音したH.mountainsのカラオケに合わせて「まつり」「3月の水」を熱唱。

11/17 Sun
荻窪velvetsunにて俺はこんなもんじゃない「Lamina」レコ発イベントvol.1。ジョーさんの「yesterday」のカバーには、ジェントルな曲調でこそ感じる、ポールの逆説的なロック感が表現されていた。子が生まれてから初めてのOWKMJのライブだったが、周囲の協力のおかげで(子は祖父母の家で預かってもらう)乗り切れて嬉しい。

11/18 Mon
子供向けの合体ロボットの音楽を制作中。

11/19 Tue
フランス在住のドラマー耕造さんは年1〜2回里帰りする。日本では、サボテンレーダーという3人組のバンドでリハやライブをする。リハしながら我々は、自らの演奏にウケて笑ってしまう。耕造さんは元々ジャズ畑でKREVAのツアードラマーだった事もあるが、今はパリでハードコアなバンドをやりながら銅版画を作ったりしている。


11/20 Wed
香港では警察の装備や暴力は、民衆を圧倒していて、市民は文字通り命がけで戦っている。権力の正体は暴力である事を生々しく実感させられる。暴力を拠り所としない社会は可能なのか。

11/21 Thu
一週間後にソロワンマンライブがある。ライブがある、と不可抗力的にブッキングされたかのように書いているが、自分自身で強引に予定を入れたのである。この一年で作った26曲だけでやるライブ。歌い慣れてない曲が殆ど。勢いで獅子舞も呼んでしまった。不確定要素が多くて不安しかない。

11/22 Fri
大阪のみやけさん(ss)の曲をやるバンド、「行楽猿」2年ぶり5時間のリハ。高田馬場は、なかなかの豪雨だった。

11/23 Sat
日の出町試聴室にて行楽猿ライブ。他人の曲なので適当に遊びながら演奏する。アコギ+エフェクターも板に付いてきた。ハラさんのアルトは会場の空気をぎゅっとそこに凝縮するような力がある。澄んでいて、強い。

11/24 Sun
行楽猿2daysライブ、神保町試聴室にて。夏の大△は会場備え付けの材料(椅子とか脚立とか)でオブジェクトを組み上げるバンド。撤収のチームワークが素晴らしく、楽器を持って曲を演奏する通常のバンドよりも、よりバンドっぽいところがある。
なかなか集客が厳しい。年のせいなのだろうか。ほぼ同い歳の星野源なんかドームツアーをやっているが。エンターテインメント業界の集客にも明らかにここ数年、格差の拡大があると思う。

11/25 Mon
翌々日のソロワンマンの事が常に頭の片隅にある。ずっと心配しているので、もう何が心配なのかわからない。この心配をこそ、人生のスパイスとして求めていたのかもしれない。

11/26 Tue
立会いでのMIX。極端な音にして、また戻す、というその往復の流れの中で形作られていく音の形は、まるでリアス式海岸のようだ。

11/27 Wed
ソロワンマンライブ。この1年で作った全26曲を一人で歌う。適宜、こまどりさんの獅子舞を挟みつつ、手書きの詩集を配布し、開始直前まで店の受付。総合的に謎の時空を作ってしまった自覚がある。死ぬほど修行が足りない。

11/28 Thu
激しめのBGMを作って提出。

11/29 Fri
今年の元旦に、よそ見による落下でバリバリに割れ落ちたスマホ、ZenphoneGoの容体が年末になっていよいよ悪化。操作以前にガラスが指に刺さりそうなので触るのが怖い。新たな激安スマホをリサーチせねばならない。

11/30 sat
BGMが激しすぎるというフィードバックを頂戴する。ヌルい奴だと思われると癪なので、激しめを要求されると、より激しいものを作る傾向がある。ところで昨今、音楽における激しさというベクトルでハイスコアを上げているのは誰なのだろう。近年だとSOPHIEのアルバムは明らかに激しいと思ったが、それが出たのも2017年であり、きっと激しさの概念もアップデートされ続けているのではないか。

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2019.11/1〜11/15

11/1 Fri
オンライン講座のBGM作り。Netflixの「世界の今をダイジェスト」という番組の音楽が、あくまで主張しすぎない良いバランスで現代的なニュアンスを出していて、参考になる。

11/2 Sat
Y一家と遊ぶ。その昔、吉祥寺のレコードショップ東風の奥まった部屋で「国」という名義でわけのわからないライブをやった後、声をかけられ早20年。そんな一瞬の交差がきっかけで今だに付き合いが続いている。「国」は毎回思いつきでライブのたびに違う事をしていたので、あの日の「国」のライブがもっと違うニュアンスのものだったら、あるいは知り会わず、その後一緒にバンドもやらずに、お互い幾分違った人生を歩んだのかもしれない。不思議なものだ。今はあまり一緒に演奏していないが、代わりに子連れで遊んだりする。川沿いの駄菓子屋でビールを飲んだ。

11/3 Sun
ソロワンマンライブを開催すべきか悩むうちに一年が終わりに近づいている。

11/4 Mon
生後百日のお食い初めの儀式。妻の実家にて、美しい鯛と、赤飯を、子に食べさせる、フリをして、子はまだ食べられないので、自分たちで食べる。彼女が幸せに、自由に、健康に生きていける事を祈っている。

11/5 Tue
定期検診。担当の先生は、さそうあきらの漫画に出てきそうな、一風変わった感じのヒゲおじさん。これは、これまで私が出会った医者の印象に基づく個人的な偏見だが、男性の医者には変人が多い。逆に女性はまともで常識的な感じの人が多い。この事は昨今巷を賑わせている医学部入試の男女差別問題と、もしかしたら関係があるのかもしれない。

11/6 Wed
真剣に自由を求めるなら野山の動物のように生きねばならない、と日記帳に走り書きがある。どういう心境だったのかは、今ではわからない。

11/7 Thu
請求書が間違えていた。大切な出生届けも赤で訂正が入りまくったし、とにかく書類の間違えが多い。でもひょっとしたら、無意識に間違いが多い人物を演じているだけなのかもしれない。本来、神経が細かすぎてミスなど殆どないのだが、それだと面白みに欠けるので、わざとズボラな人物を演じているうちに、本当にズボラになっていったきらいがある。

11/8 Fri
田無神社へ行き、安産祈願の木彫りの犬の像を撫でる。この木彫りの表面の、えも言われぬような滑らかさは何なのだろう。最高の職人による、最高の仕上げ、そして数百年にわたって安産を願う人たちが、祈りをこめながら撫で続けたことによって、まことに素晴らしい触感を獲得している。それは木の温かみ、というのとも、また少し違う、どちらかと言えばひんやりとした、独特な柔らかさである。無事生まれましたと報告にやって来た。娘にも少し撫でさせる。また来たい。

11/9 Sat
野球座談会という年に一度の催しが、家で開催されていた。

1110 Sun
(株)SUGOI全面協力のもと、企画・監督・出演・編集した俺はこんなもんじゃないの新曲「Blues5」のMVを公開。


1111 Mon
今日の現場はスタッフ7人のうち4人が0歳児の父親だった。うち2人は今月生まれたばかり。出産ラッシュなのか。

1112 Tue
あくまで自分のやり方で、人を楽しませることが、大事なのではなかろうか。他人のやり方でなく、自分のやり方で。

11/13 Wed
清流が2本交差する我が地元には世界的な釣りメーカーの本社があるのだが、そこの広告映像の音楽を数年ぶりに作れるので嬉しい。

11/14 Thu
ハリウッドっぽい、壮大な曲を作る。ハリウッドといっても、そのイメージは年々、少しずつ変わっている。アップデートしないと、ただ単に大味な曲になってしまうが、そういうのはプレミアムビーツとかに掃いて捨てるほどストックしてある。

11/15 Fri
ループ主体の音楽であるラップが米国で最もポピュラーな音楽になった今では、コード感であったり、メジャー・マイナーの調性の定義も、少しずつ変化しているように思う。
トラップの短調が、クラシックの短調と同じ意味の短調なのかと言えば、そうではないと思う。
それでも短調短調、という部分ももちろんある。
その移りゆく調性のマナーを自分が完全に掴めているか、不安な部分はある。