Dangerous Mind

Dangerous Mind

2020.8/16〜8/31

8/16 Sun 
娘の発熱はおさまった。予想した通り、突発性発疹と診断される。
今年の芥川賞受賞作である遠野遥の「破局」を一気読みする。物語の終わりに、主人公がタイトル通り、破局を迎えるのだが、その破局はある種の救いのようにも読み取れる。ただ、自分は救いのない話が好きなので、このような結末ではなくて、主人公がそのまま野放しとなって、黙々と社会生活を営んだりしている方が、より大きな意味で、よりリアルな破局ではないか、と思ったりもした。
その結末をもって小説を成り立たせるのは難しそうだが、現状、ラストがちょっと取って付けたような印象なのも、否め無い感じがする。
でも、すごく面白い小説だと思う。

8/17 Mon 
やや体調が悪く、早めに寝る。きっと睡眠不足なのだろう。

8/18 Tue 
結局自分でデザインする事になったLPジャケットについて、やり方を検討する。
娘は発疹が長引いていて、機嫌が悪い。

8/19 Wed 
ジャケット作業に取り掛かる。デザインに関して自分にできる事はだいぶ限られている。その分、素早く仕上がる。

8/20 Thu 
「灼熱」と表現しても決して大袈裟ではないような暑さの中、近所の雑木林でソロアルバム全長を確認し、これを最終チェックとして、アルバム「世界」が完成した。
訳詞も仕上げ、歌詞カードをデザインする。こちらで担当している作業は全部終わった。
夜、また発熱して倒れる。再び作業部屋にて隔離。

8/21 Fri 
熱は一晩で下がったのでおそらくコロナではないだろう。アルバム作業が全て終わった途端に出た知恵熱の類と思う。

8/22 Sat 
朝になって、熱がぶり返す。で、また隔離。昔は熱が出たら、リンゴの擦りおろした物など与えられて優しくされたものだが、令和二年は締め切った部屋で隔離である。普段、寝室として使っているわけではない雑然とした部屋で一晩過ごしても、ほとんど体は休まらず、余計に回復が遅れる、という負のスパイラルに陥っている。もちろん確実にコロナではないと言い切れない以上、一人おとなしく幽閉されているしかないのだが、厄介な時勢である。

8/23 Sun 
一日部屋に籠って、どうにか熱が下がった。20時間以上は横になっていたと思う。退屈だが、頭痛がひどくて何もできない。ずっとポットキャストを聞きながら寝ていた。

8/24 Mon 
アルバム制作が一段落し、次何をするべきなのか、病み上がりで頭もボーっとしており、空白の時を過ごす。

8/25 Tue 
保育園に迎えに行ったら、まだお座りの娘は、自由に歩ける一つ上の子からちょっかいを出されて泣いていた。下を向いたままでちょっかいに耐えている様子は、何か自分の幼い頃を思い出させるものがあって、切なくも愛おしかった。頑張れ。

8/26 Wed 
咳が出る。ずっと体調が悪い。もう、通常の調子というのが、どんな感じだったか、今ひとつ思い出せなくなっている。何をやっても、ぜいぜいと息が切れて、その都度休息が必要である。年老いた体は、こんな感じなのだろうか。


8/27 Thu
ソロアルバムについて、レコードのカッティングの際に子音が歪んでしまいそうに思える箇所が幾つかあるのが気になって、アナログ用にマスターを微修正する。

8/28 Fri
よりセーフなアナログ専用マスターを作ってレーベルに送る。今度こそ、アルバム作りの長い工程の終わり。

8/29 Sat
娘を川に連れて行く。はじめ、水面に足先が触れただけで、水の冷たさに驚いて泣いていたが、馴れると自分から手足をジャブジャブ浸して遊んでいた。
周辺の子供たちがプール代わりに泳ぎに来るこの川の土手は、夏の土日にはテントが立ち並んで、ちょっとしたキャンプ場のようである。徒歩圏内にこんな場所があって恵まれている。

8/30 Sun 
サンシャイン水族館へ。入場人数を制限するため、時間区分ごとの予約制となっている。移動中、ずっと寝ていた娘は入館した途端に目覚めて、カラフルなサンゴ礁や魚を指差して笑っていた。池袋の人出は昨年訪れた時に比べて、だいぶ落ち着いているように思えた。
 
8/31 Mon 
ソロアルバムの制作が完全に終わり、折良く体調が近年稀に見る絶不調になってくれたので、本格的に休みたい。