Dangerous Mind

Dangerous Mind

IUという韓国のアーティストのアルバム「パレット」を何度も聞いている。
繊細でサラサラしていて、ギリギリまで強調されてもスムースで痛くない高音のことを「シルキー」と表現することがあるが、このアルバムの歌唱は今自分の中で、最もシルキー。あと、本当に歌が上手い。時々、うますぎて非実在的に感じる部分すらある。元々死ぬほど上手いものを、さらに補正しているのかもしれない。使える武器は全て使う感じというか、このサウンドにはどこか容赦ない部分がある。
アルバムの前半はポップな曲がカラフルに並んでいて、後半はギターやピアノだけのシンプルなバックで「歌」という印象が中心になる。後半はちあきなおみとか、そういう昭和の本当に歌がうまいシンガーのアルバムを聞いているような、そんな気持ちになる。最後、大きめの世界観のバラードでまとめるのも良い。全体の尺が39分なのも良い。
自分が耳にする韓国の音楽は全体的に高音に特徴があるように感じる。サムルノリのような伝統音楽からして金物が印象的で、現代の音楽ハイハットやラップの高音部などに特徴がある曲が多い。食べ物の印象もそういう感じで、高音域のパンチが効いている。
普段から、世の中の事は何でもキック・ハイハット・スネア3点のいずれかに喩えられると提唱している私だが、このアルバムでは韓国の、高音についてのネクストレベルな最新見解が示されていると感じた。
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