Dangerous Mind

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04 Opening in the kikko-man

架空のバンドの架空の演奏をSoundCloudにアップする新シリーズ。6日連続のうちの4日目
本日は緑の森楽団による「Opening in the kikko-man」です。

http://soundcloud.com/kariu/opening
11秒。
日本語教材のオープニングのジングルとしてデモを作成するもあまりにせわしない曲なので、不適切と判断してストック島流しに。その時最終的に作った曲は
http://www.9640.jp/xoops/modules/bmc/detail.php?book_id=15624&prev=new
こちらに収録。この曲とはだいぶ違ったかわいい曲になってます。アナウンス収録とかも楽しい仕事だった。
震災直後、いろんな友人・知人が無事でいるのか、またどういう風にこの出来事を捉えているのか気になって、普段見ない他人のブログやツイッターを沢山見ていた。その時同時に気になったのは、果たしてこの人たちは現在何をやって飯を食ってるのか、生活しているのかということで、特に数年前に所謂メジャーの会社からデビューしてその後鳴かず飛ばずだった(ように思われる)バンドマンの知人とか、最後に会った時点では病気を理由に会社を長期休職中だった人とか、踊りを踊っている人とか、劇団員とか、東電の人とか、大丈夫なのかなと今さら思って、まあそんなもん所詮インターネットじゃよくわからないのですが、しかし裏を返せば自分も傍から見て相当わけのわからない感じで謎に見えてるはずなので、とりあえず今日は仕事してる感をブログを通してうっすら世間にアピールしてみた。
まあこういう事だけで食えるわけがないので、音楽関係のことから音楽に何の関係もない大工仕事みたいな事まで(但し私は木材をノコで切る時、とても音楽的に切断することができる)色々やって一応まだ金銭的な迷惑は人にかけずに生きてられてます。時々あまりに気楽な感じに見られるのか、無職と勘違いされることがありますが、無職ではありません!あとやってる仕事も全部カタギの仕事です!
自分のプライドのためというか、密かに心配してる人のために一応ね。

公開スケジュール
5/20金 highway1972 / トルーマン・カポーティMIDIバンド
5/21土 Tango by Tango / ハイスクールTANGO組
5/22日 ビルとビルの狭間に / トルーマン・カポーティMIDIバンド
5/23月 Opening in the Kikko-man / 緑の森楽団
5/24火 わしのマントの中でなら王様だって殺す(バラード) / セルバンテス=コローディ・クインテット
5/25水 NHKETV / 緑の森楽団



日記的なものとして
最近は鍵盤の練習でバルトークのミクロコスモス第二巻(No.47「村のお祭り」がやっと演奏できた。難しかった)をやりながら、「ドン・キホーテ」と「ピノッキオの冒険(オリジナル版)」を並行して読み進める日々。100年前にも同じような生活を送っていた人がいたのではないだろうかと、ふと考える。
1994年1995年、阪神大震災地下鉄サリン事件の年に病気で亡くなった父親とのあまり数多くない思い出の一つとして、休日に二人で図書館に行き、そこでセルバンテスドン・キホーテをおすすめされて借りた記憶がある。その時は簡易版をひと通り読んだのだけど、今あらためてオリジナルを読んでみると、父親が息子に推薦する本として、あまり似つかわしくない本のように思われる。
まず主人公が狂人(もしくは狂人のフリをしている)の騎士道文学オタクの中年である。また全体も冒険物語の体を借りた文学批評の物語となっており作者の当時の文壇に対する怨恨のようなものをそこかしこに感じる事ができる。繰り返し、狂った人間の愚行を見せつける単純な娯楽作品のようでいて、その物語構造は複雑で、途中で意図的に話が組み替えられていたり、また今となっては良くわからないパロディの要素もふんだんにある。
しかも、この物語はアラビア人の市場か何かで偶然作者によって発見され、それを通訳に依頼してスペイン語に翻訳させたもので、要するにオリジナル→アラビア語版→スペイン語版→作者編による物語、という迂回を通って記された物である、という設定になっている(でも実際はそういう設定でセルバンテスが一人で書いている)。
うちの父親は果たしてこれを全部読んでちゃんと理解したうえで俺に読め、と言ったのか、それともただ単に古典だからなんとなく読んどけ、と言ったのか・・。後者の可能性が高いように思われるが、今となっては謎だ。
まあそれも含めて、今となってはある種のメッセージとして受け止めなければならない、ような気がする。
でも無茶苦茶長い(前後編各岩波文庫三巻ずつで全六巻、まだ一巻中盤)ので今年中に読めたら良いなと思う。

大友良英さんの5/22付のjamjam日記「悩まない訳が無い」はコメント欄の反応も含めてとても考えさせられる内容だった。先日見に行ったチムポムのREAL TIMES展についてもそう思った。両者に共通しているのは正解はこれだ、答えはこれだ、と提示することではなく、複雑な状況に対して、まずは自分で行動を起こし、そのことによって、結果的に人に考えさせる(それもかなり深く)きっかけを提供している、それだけの巻き込む力と価値を有している、という事だと思う。
そこに発生するのは極めて2011年の東日本、的な倫理の問題だと思った。
倫理。