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一昨日は俺はこんなもんじゃないのレコーディングでした。子どもの頃から一貫して内向的だった性格が功を奏してとうとう録音まで自分でやるようになってしまったのはだいたい去年の末くらいから。無茶苦茶重たい機材を担いで、スタジオに行って、自分で演奏して、自分で録ってます。録音機材に加えて自分の楽器まであって本当に大荷物なので移動が死ぬほど大変なのですが、そのおかげか演奏するときに余計な力が入らない（つーか、もう力残ってない）のがこの方式の良いところです。自分のペースでやれるし、音質的にも良好だと思います。
『極東最前線２』収録の「遊星からの物体X」もこの方式で録音して自宅でミックスしたものですが、音質の面で、他のトラックに比べて遜色無いんじゃないかな、と思います。デジタル系の機材の進化は日進月歩で、ある程度の金額出して機材揃えて経験積めば一定以上のクオリティの録音、ミックスができる。もちろん、プロスタジオにかなわない点が幾つもあるのは重々承知だけど、そこは各自工夫してカバーしつつ、費用の点では自分でやった方が大きく抑える事ができるので。ミックスダウンするためだけに部屋とエンジニア一日押さえたりしてたら、うちらのような零細は絶対に儲けをあげることができないし、結局儲からなければ尻すぼみになって活動は停滞していくだろうと思います。ひたむきにバイトしながら音楽、とか、青春ぽくて良いかもしれないけど、俺はもう嫌なんじゃ（バイトが疲れるから。あと、いつかどこかで有名レコードプロデューサーに出会って〜みたいなイカ天みたいな曖昧な上昇志向が芽生えてくるから）。どうせひたむきになるなら、自分たちの音楽が届くべき人にちゃんと届いて、その分のお金がちゃんともらえて、その利益で次の作品をつくっていけるような環境づくりをこそ、ひたむきに目指したい。
ただ、そんな事ばっか考えてると、段々思考が現実的になりすぎちゃって肝心の曲が作れなくなってくるので、そういう時はリンチとかフェリーニの映画を見て現実ボケした頭を夢の帝国に揺り戻す。まあ、そんなこんなでちゃんと生きていくには色々と時間がかかりますな。
というわけで音源制作に関しては半ば必然的に無茶苦茶DIYな状態に、いつの間にかなっておりまして、その成果といえるニューアルバムの録音は七割方終了いたしました。今回の新音源は確実にヤバイです。どうヤバイのか、まずはリードトラックとして極東聴いていただけたらと思います。ディスク１の９曲目です。

極東最前線2

[収録曲]
DISC1 / 1.WESTERN DEVELOPMENT : panicsmile　2.ラストナイト : toe　3.タコ物語（LIVE) : ゆらゆら帝国　4.あなたと歩くの : 二階堂和美　5.Micro Guitar Music : トクマルシューゴ　6.東京 : eastern youth　7.蒼 : 枡本航太　8.アイオライト : M.A.G.O.　9.遊星からの物体X : OWKMJ（俺はこんなもんじゃない）　10.Heartbreak : Facing New York　11.七七日 : SAKEROCK　12.遠足 : TEASI　13:wrong again : 54-71　14:Evil Birds : Shonen Knife
DISC2 / 1.You Will Regret : DEERHOOF　2.Amayadori : ZAZEN BOYS　3.Decade : ｆOUL　4.MeatBalls : TUCKER　5.All I know : Cursive　6.何もない世界 : THE BACK HORN　7.東京〜イースタン小谷.Ver.〜 : 小谷美紗子　8.of daybreak : miscorner/c+llooqtortion　9.夜を歩く : 手水　10.フィルムのかたち : Test Pattern　11.Efter god mad : にせんねんもんだい　12.プレゼント : COCK C'NELL　13.アイウエオ : NOTALIN'S　14.季想 : タテタカコ　15.Fallen fragments : envy
どの収録曲も面白かったけど、イースタンユースは昔から聴いてたけど、いつの間にか雄大な感じの音楽になったなーというか。前はもっとパンクよりで、ある意味ヒステリックな側面があるように感じていたんだけど、今は誤解を恐れずいえば佐野元春やらハマショーに通じるような父性を持った日本のロックの系譜に連なったなーと思って、でも出自は明らかにパンクとかハードコアだと思うので、その辺が独特の音楽的スタイルを醸し出してるなーと思って、とても良かったです。そもそもこのCDに関しても、自分たちで企画して、事務手続き的な面のやりとりも自分たちでやって、ちゃんとセールス的にも結果出して・・・って、やっぱ凄い事だなーと思います。心の底から尊敬できる人が世の中にいるというのは、とてもありがたい事です。


[追伸]トリップ・トラップ第十回アップしました。リクエストにお応えして・・・