Dangerous Mind

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マイアミさん大野くん主催の¥$FIN(エンドルフィン)レーベルのイヴェント「スゴロク」でアートランドへ。¥$FINはその名の通り、¥と$をFINするのを目指していて(多分)、その分金銭に関する話が多く出た。お金に対してどういうスタンスをとるかというのはとても重要で、なおかつとても面白い議題だと思うので、こういう機会が続いていくといいなと思った。自分自身に関していえば、貨幣の流通のうえに成り立っている今の世の中の仕組みにかなり依存した生き方をしているという自覚がある(仕事も農業や林業などの第一次産業は不向きで、自分が作っているものがよくわからない一般事務が得意)ので、安易に貨幣経済(や資本主義)に対して文句を言ったりすることはできない。アートやら音楽やらには60年代から続く反体制・反資本主義的な伝統があるけれども、その伝統が今の自分たちにフィットするものなのかといったら、果たしてそんな事はない。例えば大学教授くらいの年齢の人と話したり、その人が書いたものを読んだりして違和感を感じてしまうのは、大抵そういう部分であり、だからといって別に自分は今の世の中や資本主義にバンザイしているわけでもないので、正直になろうとすればするほど、その立場はグレーなものにならざるを得ない。安易に左翼的なものや右翼的なものを打ち出されると薄っぺらな感じがしてしまうし、そういう意味でファッションとしてしかどっちもあり得ない感じがしてしまう。
で、俺はパネルディスカッションのパネラーという立場で参加したのだけど、そういう事は全然話すタイミングがなく、ただひたすら参加者のペペ長谷川さんの顔が面白かった。長谷川さんは「あかね」という喫茶店の運営に関わっていて、やはり経営上の色んな壁にブチあたり、様々なトラブルや事件があったみたいなんだけど、そのヒドい事を話す時の表情は何故か凄くイキイキとしていて、あれは黒澤明の映画のメイクの人が二時間くらい頑張っても作れないような、本当にヒドい事があったんだろうなー、と思わせる素晴らしい顔だった。
イヴェントは11時間あったがなんだかんだであっという間に時間が過ぎ、途中で食べたマグロや野菜汁やごはんもとても美味しく、良いイヴェントだった。マイアミさんはこの後、演劇の台本を作るために山小屋に籠るといっていた。とにかく一生懸命に生きている人たちが集まっていて、自分は毎日ボーっとしているなと引け目を感じた日でもあった。
この日の音。(スナック「ルビーの指環」より)



イヴェントの様子。