Dangerous Mind

Dangerous Mind

母帰る。東京駅で見送った後、世論の争点であるという靖国神社に社会科見学に行く。九段下に到着すると丁度にわか雨で、駅の近くの木の下に避難。参拝者はひっきりなしにエスカレーターに乗って運ばれてくる。いかにも、といった感じの人もちらほら見かけるが、普通の見た目の人が殆ど。そして男性の比率が高い。高齢の参拝者は気合いの入った感じの人が多く、それより若い人は、何となく、相容れない感じの、何となく好戦的な感じの、中途半端な愛国心、のような雰囲気を持つ人が多い。入口付近では、明らかに戦争に行った事のないであろう人間が、戦争について誤りだったとか、正しかったとか、ハンドマイクで演説している。歴史上の出来事について当事者でもないのに、人から聞いたり、本で読んだりした知識で、ある一面的な判断をくだし、それを大声で他人に話そうとする人間。見ていて気分が悪くなるタイプ。でもこういう人種は色んなところで見かけるな。
鳥居(とても大きくて、飾りがなくて、美しい、と感じる)をくぐると、やはり一種独特の雰囲気が蔓延していて、軽いめまいがする。ある一定の考え方や思いを共有した人間が大勢集まると出る、この不思議な空気感はライヴ会場やスポーツ観戦の時にも感じる事がある。それ自体は悪い事ではないと思うが、何か純粋じゃない、違う感じがする。国を愛する事と、自身のアイデンティティを国家だとか、歴史だとか、そういった想像上でしかあり得ない大きなものに求める事とが混同されているような、そんな、今風な感じ。参拝に込められた意味や、求めている何かが、世代によって微妙にズレている。バッドなバイブレーションを感じ、少し元気をなくして帰路につく。途中早稲田名画座にてビデオ5本レンタルして帰宅。