Dangerous Mind

Dangerous Mind

2020.5/1〜5/15

5/1 Fri
比較的寒がりの私でもヒートテックが不要な季節になってきた。川沿いの植物の勢いが凄い。まるで太陽に向かって叫んでいるように生命力の漲った緑色で、ぐんぐん伸びる。

5/2 Sat
保育園から手紙が来て、引き続き登園を控えて欲しいとの旨。今の家庭内2シフト制のタイムテーブルが性に合っているので問題はない。
「もしかして」に社交ダンス風アレンジを加えてみる。社交ダンス風アレンジとは、自分にとってはさりげない程度のシンコペーションの事だ。

5/3 Sun
ライブも練習も打ち合わせもなく、ほぼ同じスケジュールでもう二ヶ月。特に辛い事はない。経済的な不安はあるが、その不安は家を出てから、この方20年以上ずっと傍に立ってくれている、ほとんど気心の知れた友人のようなものである。

5/4 Mon
岡村靖幸の「幸福」というアルバムのジャケットは、CDのアートワークという枠には収まらない、何か物凄いものがあるように数年前に目にした時に思ったのだが、その絵は会田誠の作品である事を今日知った。このような、見た人の心のどこかに長い間引っ掛かり続けられる強度には、やはり芸術という呼び名がふさわしいように思える。

5/5 Tue
大阪の叔父が亡くなったとの報せを受けるが、クラスターを警戒するために親族が集まる形での葬式はできないとのこと。すごい時代に突入したものだ。最後に会ったのは10年以上前になる。香典を持参する事もできず書留で送る。

5/6 Wed
拓海君が自ら開発している本人演奏をサンプリングしたKontakt音源が、ここ数日凄いスピードでバージョンアップしている。ベータ版使用後の感想として、追加して欲しい機能などを伝えると、次のターンでもう実装されていたりする。このレベルで演奏とプログラミングが両方できる人は滅多に居ないのではないだろうか。

5/7 Thu
散歩していると深い森に出くわした。川があって森があって、交通の便も決して悪くなく、言う事ない街に住んでいる。

5/8 Fri
森に行く。「もしかして」が大体できる。「チャイニーズブッキーを殺した男」を何度目だか、見返す。あらゆる音楽の中で、自分が一番好きな音楽は、この映画の中でひっそりと流れている幾つかの音楽だ。Bo Harwoodは忘れられた作家かもしれないが、他の誰にも替えがたい唯一無二の素晴らしさがある。

5/9 Sat
眠っていると娘が体に乗ってきて、そのまま勢い余って一回転、でんぐり返って、自分でもびっくりして泣いていた。

5/10 Sun
拓海kontakt音源のデモソングを作っている。まずオケを作った上で、本人にソロを吹いてもらい、それをmidiに起こして、本人の演奏をサンプリングしたkontaktでなるべく本物に似せて打ち込む、というまわりくどい制作手法。伝わるだろうか。

5/11 Mon
娘はとにかくパソコンに触りたいので、ちょっとした高さにノートPCを置くと、自動的に掴まり立ちの練習になる。雰囲気を出すために「get up,stand up」をYoutubeでリピート再生する。

5/12 Tue
拓海デモ音源の二曲目に着手する。バスフルートを使ったスローテンポなもの。

5/13 Wed
今日も森に行った。森の中で、虫と、経済不安に襲われて、それらをかわす。食い詰めたとしたら、今の仕事にしがみつかずに、別の仕事をすれば良いだけ。そう考えれば気分は楽になる。

5/14 Thu
拓海デモの三曲目に着手する。「そこのみにて光輝く」を再見する。最後の役者二人の表情が本当に美しいと思う。どのように演出しているのだろう。あるいは、演出ではなく、自然に浮き上がってくる表情だからこそ、あれだけ印象的なシーンになるのだろうか。

5/15 Fri
森を抜けて県境を越え、時間が許す限り歩き続けてみた。新座市は緑が多くて好きだ。「大木」という表札がかかった豪邸の門の左右に、まっすぐな大木(たぶん杉)が全く同じ高さで2本、そびえ立っていた。大きな木のある大木さんのお宅と言えば、あの辺の人はすぐにわかるものなのだろうか。