Dangerous Mind

Dangerous Mind

Everybody’s got something to hide except for me and my monkeyと

ビートルズのEverybody’s got something to hide except for me and my monkeyとそのタイトルの長さに見合うだけの長文の告知。


最近、ゲストボーカル入りで歌謡曲等色々カバーしている俺はこんなもんじゃないですが、今度12/8のライヴでバンド単体でこの曲をカバーします。

イヴェント当日の12/8はジョン・レノンの命日ということで出演者みんな一曲ジョン・レノン曲を演奏、という趣向があるのですが、この曲は昔からすごい変な曲だなーと思って心に引っかかっていたので一度やってみたかった。


まずイントロ。
パッと聴いて、かなり妙だと思うんだけど、最初考えたのはこの頃(1967とか?)はテープ編集の時代なので

ドドツツダツツツ/ドドツツダツツツ/・・・(ドラム。「ド」がキックで「ダ」がスネアで「ツ」がハイハット

という普通な感じの4/4のドラムフレーズ4小節の1小節目の頭8分音符一拍だけ切りとって

ドツツダツツツ/ドドツツダツツツ/ドドツツダツツツ/ドドツツダツツツ/

という風に1小節目だけ7/8にすることで奇妙な感じを出しているのだと思っていたんだが、
今回よくよく聴いてみると5小節目の頭にドってキックが一発鳴っている・・
ということは5小節目の頭だと思っていた部分はやっぱり4小節目の尻で
全部4/4拍子で

ドツツダツツツド/ドツツダツツツド/ドツツダツツツド/ドツツダツツツド/

というフレーズを繰り返しているということになる。
で、ドラムだけそういう変化球パターンなら、まあそういう事もあるのかなと思うんだけど(JBとか。スリップビートと言うんだっけか)、そのドラムに合わせてギターも1拍ウラ、2ウラ、3ウラで弾いているので、やっぱりパッと聴いた印象としては皆で演奏した2ミックス

drum ドドツツダツツツ//ドドツツダツツツ/
gt ンンチャチャチャ/ンンチャチャチャ/   (「ン」は休符)  

の頭だけ一拍切って違和感のある感じを出すというリミックスっぽい手法に聴こえがちというか、自分にはそういう風にしか聴こえない。
のだけど、5小節目頭(というか実演奏では4小節の8拍目)にキックが聴こえる
ここから推測されるのは
1.音源のとおり、そのままそういう演奏である
2.テープ編集で頭一拍分切って、その切ったキックを4小節目と5小節目の間に挿入している
のいずれか
と思いながら、そのまま聴き進めると5小節目以降リズムギターがドラムに対して1ウラ、2ウラで鳴っているのを確認できる。
ということはギターは曲がスタートして以来一貫してドラムに対して1ウラ、2ウラで演奏しているということだが、仮に編集で頭一拍切って、尻にその一拍を挿入しているとすると、ギターはイントロで錯覚させられるフレーズのまま、5小節目以降はドラムに対して2オモテ、3オモテで演奏されるはずなので、これはつまりテープ編集ではなく
1.音源のとおり、そのままそういう演奏である
という結論になる。
ここからは勝手な予想だけど、最初デモとか作った時に偶然頭が一拍切れた状態で再生されちゃって、それを聴いたジョンが「これ良いじゃん」みたいになって、リンゴを必死に訓練して実演奏で再現、ということなのではないか。
そういう偶然がないと、こんな変な発想は、いくらジョンがレノンでも、そう簡単に出ないんじゃないかと。ビートルズの他の曲やソロ曲でも、こういうトリックは見当たらないと思うし。
ただの想像ですが。



歌詞

Come on, come on, come on, come on, come on is such a joy, come on is such a
joy
Come on and take it easy, come on and take it easy, take it easy, take it easy
Everybody's got something to hide, except for me and my monkey
Hah, the deeper you go, the higher you fly, the higher you fly, the deeper you
go
So come on, come on, come on is such a joy, come on is such a joy
Come on and make it easy, come on and make it easy, take it easy, take it easy
Everybody's got something to hide, except for me and my monkey
Your inside is out, and your outside is in
Your outside is in, and you inside is out
So come on, ha, come on, ha, come on is such a joy
Come on is such a joy, come on and make it easy, come on and make it easy
Take it easy, take it easy
Everybody's got something to hide except for me and my monkey
Come on, come on, come on, come on

というのが歌詞の全体なのですが
この辺りのくだり
Hah, the deeper you go, the higher you fly, the higher you fly
深く潜れば深く潜るほど 高く飛ぶ
もそうだが、決定的なのは
Your inside is out, and your outside is in
Your outside is in, and you inside is out
もうここで
オモテがウラに ウラがオモテに
と言ってしまっていて、これは直接的にイントロ4小節の説明と言ってしまってよいフレーズである。
出だしでオモテ拍、2.3.4に入っているように聴こえるギターは、実は5小節目以降で、1拍裏、2拍裏に入っているのだ、という事が判明するからである。
ようするに、表だの裏だのという事は、あくまで相対的なものであり、自分が正だと思っている事実も状況によれば負だったりすると、
で、それに対してジョンは
Take it easy, take it easy
だから気楽にやれよ、
と、
しかしその後
Everybody's got something to hide except for me and my monkey
俺と俺の猿以外は皆何か隠している
この最後の一行(であり、この曲のタイトル)はどう受け取ったら良いのだろうか。


状況によっては裏は表であり、表は裏なんだ→絶対的な真実などないんだ
だから気楽にやろうや
まあでも俺らは例外的に違う存在だけど


みたいな感じなんだろうか。
結局のところ、ジョン(作曲者)にとっては表は絶対に表であり、裏は絶対に裏、裏のように聴こえても、全体を見通せば、それはトリッキーに配置された表なんだよ、ワシには全てお見通しさ、
みたいなニュアンスなんでしょうか。
深いような浅いような深いような浅いような歌詞である。
・コード進行
コード進行も結構変である。
そして、この変さは一聴して変、というものよりは、よくよく考えると変、というもので、それはこの曲のリズムにも歌詞にも全体を通して言えることである。
何が変かというとサビのフレーズであり、歌詞の項でも謎だった
Everybody's got something to hide except for me and my monkey
の後の部分、ロック的なキメみたいな部分が
E / D / G
E / G / D
で、しかもここだけ7/4拍子である。
また拍子の話に脱線してしまうが、イントロではわざわざ変拍子(7/8)に偽装したトリッキーな4/4を使っておいて、ここでは普通の変拍子を使う。
で、最後のコードDも、ブルース・ロック調の曲の最後のコードとしてはだいぶ変だと思う。
もちろんEにつながらない事はないけど、かなり投げっぱなし感というか、中途な印象を与える音。
でもその後のEの部分のリフは明快だし、エンディングの方(2:06くらい)ではエディ・コクランのcom'on everybodyみたいなロックンロールの定番フレーズが唐突に6回挿入されたりもするのである。
このように、この曲は難解(というか不条理)な部分と、明快(というか記号的)な部分が乱暴に同居した作りになった、イントロだけでなくトータルで考えてもだいぶわけのわからん曲であると言える。
実験的な曲が並ぶホワイト・アルバムの中でも、これに匹敵するおかしな曲は、ジョージ作のSavoy Truffleくらいなような気がする(これは単なる個人的な意見)。
というようなことを踏まえた上での、うちらのこの曲のカバーバージョンは果たしてどんな仕上がりになるんでしょうか。ぜひ会場で体験してください!!

2013.12.8(SUN) 南池袋ミュージックオルグ
前売り2000/当日2300(+1ドリンク)
2013年多分ラストライヴ
内田るん&マスダ年次企画
「BTJL / Beyond The John Lennon


出演:俺はこんなもんじゃない 内田るん(ソロ) スリリングサーティー ふらむきりん
DJ 片岡ハルカ(100yen label)
特典:漫想新聞
鍵盤担当マスダと内田るんによる年次企画。今年はジョン・レノンさんの命日にたまたま行われます。二人による新聞(会報)「漫想新聞」が特典として配布されます。
その他特別企画等も進行中なので、続報をお待ちください。
18:30オープン 19:00スタート

前日の12/7 鉄雄レコ発も是非よろしく!!
鉄雄 ファーストアルバム「Fe」 レコ発ライブ
2013.12.7(SAT)渋谷ラストワルツ
【出演】俺はこんなもんじゃない、井上経康、MUDDY WORLD、とうめいロボ、鉄雄
開場 18:30 開演 19:00
全席自由 予約/当日とも \2,300(税込み ドリンク別)

そして実は明日もライヴが
「もはや手品ではない〜笹口×ジョニー月例会vol.1 20〜」
11/26(火)
at 高円寺 円盤
open 19:00 start 19:30 / Charge¥1500(1drink付き)
出演:笹口騒音ハーモニカ(うみのて)/ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい
ゲスト:狩生健志(俺はこんなもんじゃない

円盤
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03-5306-2937
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よろしくお願いします