Dangerous Mind

Dangerous Mind

レンタカーをオースティンの空港で借りて、この日のライヴ会場があるヒューストンへ向かう。自分たちがホームステイしている辺りは比較的裕福な人たちが住むエリアで、そこからしばらく行くとトレーラーハウスが沢山ある低所得者層の住むエリア、そしてそこから先はひたすら草原と牧場、時々巨大ショッピングモールやファーストフード店が現れる。前の日記に書いたように、こういうだだっ広い場所にはモータウンよりもカントリーロックやフォークロック、それからもう少しエレクトリックなロックンロールが良く似合う。今回は聴かなかったけどニールヤングなんかも合うんじゃないかな。逆にニューヨークみたいな入り組んだ都会では黒い音楽が聴きたくなるのだった。ちなみに飛行機の中はうるさすぎて何も聴く気になれない。
牧場では牛が草を食っていた。これが、大げさではなく、見る牛、見る牛、一頭残らずみんな頭を垂れて、全く同じ姿勢でひたすら草を食い続けていた。食べ休んでいる牛や、首をあげて空を眺めている牛なんていうのは一頭もいなかった。とても不思議だ。
途中、ドライヴインで食事。またもやメキシカン。完璧に美味い。日本人が珍しいみたいで店員さんがやたら細めにテーブルにやって来て、コーヒーやサルサチップのお代わりを運んで来てくれる。そういえば、このお店は従業員は殆どがヒスパニック系の人たちだったけど、客はうちら以外はみんな白人だったな。食事後、巨大スーパーマーケットを視察。たまーに、日本のテレビでアメリカのスーパー行ってビックリ!みたいな番組があるけど、まさにそんな感じ。肉が殆ど体のパーツのかたちで売られていたり、30キロ入りペットフード、それからチェーンソーなんかも売ってあった。あと、ドクターペッパーに色んなバリエーションがあるのも驚きだった(ダイエットドクターペッパーやチェリーフレーバードクターペッパーなど)。
会場であるSUPER HAPPY FUN LANDはこの日の出演者で、以前高円寺のショーボートで一緒だったPhilip Gayleに紹介してもらったハコ。ここが驚くほど無善寺に似ている。日本からコンテナで輸送してきてビッグライトを当てたんじゃないかというほどに(ウソ。さすがにそこまでは似てない)。店員さんはzzトップのようなモジャモジャの人が二人と、その奥さん。みんな素晴らしく良い人たちだった。飲み物はでっかい冷蔵庫にビールが沢山入っていて、飲んだら、カウンターの上にあるガラスの瓶に好きなだけ寄付するという制度。食べ物も用意して待っていてくれた。音もとてもやりやすく、個人的には前日よりも良い演奏が出来た気がしたが、まあバンド全体としてはHideoutの時の方が良かったのかな。対バンはLAやNYからツアーで来たバンドばっかりで(PhilipはNY在住だが実家がヒューストンにある、とのこと)、みんな旅をしながら音楽をやっているのだった。お客さんは少なかったがCDも結構売れ、会場奥の事務所スペースでクレイアニメを見せてもらったりしながら夜が更ける。外のベンチにしばらく腰かけていたら遠くに犬の影が見えたので、手を叩いて呼んでみたら、これがオオカミみたいなでっかい野犬で、店内に避難する。そしたらドアに体当たりしてきて本当にアグレッシヴな犬だ。海外では野生動物に油断してはダメだ、と思った。
ハコに一泊させてもらって、翌朝出発。レジや寄付の入った瓶も置きっぱなしでドアに鍵もかけず(朝、店の人はみんなぐっすり寝てしまっていたのだが、出て行く時に鍵をかけなくていいのか?と尋ねたら、ああ鍵ね、とわざわざ起きだしてきて、うちらが外に出るためにドアの鍵をあけてくれたのだった。そうじゃなくて閉めなくていいのか、と聞きたかったのだけど)、本当にこの店は大丈夫なのだろうかと思ったが、zzトップの二人がいるから、まあ心配いらないのだろう。しかし、この国であのポリシーを貫くのは並大抵の事じゃないだろうなと思う。リスペクト。
スケジュール表を見ると四日後にはグリーンミルクがこの店でやる事になっていて、告知のでっかいポスターも貼られたりしていて、彼らはこっちでは本当に注目されているみたい。あやかりたい。

肉、エビ、豆、サルサソース、全部すんごくうまい。

ドライヴの様子。
この日でデジカメが充電切れ。バッテリーの消費量を侮っていて充電器を持ってこなかったのでしばらく写真撮れず。残念。

こちらはSUPER HAPPY FUN LAND制作のクレイアニメーション