Dangerous Mind

Dangerous Mind

ヒューストンより帰還。Paulの家で留守番していた岡本さんが手巻き寿司を作って待っていてくれた。ありがたい。そのままPaulたちと手巻きパーティーになるが、結局俺らが一番食ってたかも。まあしょうがないか。
この日からしばらくオフで(というか、このツアーは殆どの日がオフなのだけど)SXSWの残った二日間をうちらは満喫する事に。夕方から湖近くの野外イヴェントでOzomatliPublic Enemyを見る。しかし、ステージ上に壁が無いのでPA的には辛い環境。Public Enemy時にはまわりの人の背が高すぎて殆ど見えず、途中で退場。屋内で見たかったな。コングレスという通りを北上してライヴハウスやバーが密集しているフェスのメインエリアへ行く。この辺は本当にクレイジーな事になっていて、防音という概念が全くない通り沿いの店という店から音が溢れ、道がパンパンになるくらい人が歩いていて、気に入ったサウンドが聴こえてきたら、その店に入る、というルールになっていた。CDを配っている人多数。他、裸の人や、救世主、カエルやストリートミュージシャンなど、とにかくカオス。そして酒をのみながら歩いていたら警察に捕まってビンをゴミ箱に捨てさせられる。なんで×××は黙認なのに酒はダメなんだよと思うが、こっちの習慣では外で飲酒はしないとのこと。じゃあ花見とかもしないのかな。
一昨日自分たちのライヴを見に来てくれたドイツのpuppet mastazのライヴで中西さんと合流。人形を使ったシニカルなラップ。書いてなかったけど、この旅のキーワードとしてはパペットとパンダがある。その後、ロビン・ヒッチコックや、ルミナス・オレンジ、EL-Pなどを見たが、何と言っても一番最後に見たギャラクティックが飛び抜けて最高だった。魔法の演奏、魔法の客席。スタントン・ムーアも勿論凄いけど、ベーシストもギタリストもそれに拮抗するレベルの超凄腕。曲の入りやブレイクが本当に衝撃的で、一回一回が爆発だった。ベースの人とか、エフェクターつなぎまくってるんだけど、無茶苦茶柔らかくて、なおかつ無茶苦茶ぶっとい音。ギターの切れ味も完璧。こんなバンドを殆ど生音で聴けるような距離で見れたのは本当にラッキーだったと思う。客席では、ニューオーリンズからやって来たJasonが途中色々と俺らの事をケアしてくれた。感謝。
フェスや、その他のライヴを通して感じた事だが、アメリカの良いバンドは、本当に物凄く良い。良いバンド、という括りは不明確だけど、何かやりたい事がはっきり決まっていて、ある確立されたジャンルの音楽を追求しているバンド(要するに「ロックンロールバンド」や「カントリーバンド」、「ファンクバンド」などとジャンル名で呼べるようなバンド)の質は、日本よりも圧倒的に高いように感じた。ただ、ジャンル不明なもの、何か変わった事をやろうとしているバンドに関しては、そんなに目立ったものはなく、例えばよっちゃんとか、まめっこクラスの個性のあるアーティストには、今回出会う事が出来なかった。何と言うか「ヒドさ」のベクトルに対しての敬意のようなものが、日本に比べて不足している感じがした(そして、その分?ヒドいものは街に溢れているのだ)。だから、そういうところで勝負しているアーティストなら充分この国で戦っていけると感じた。
終演後、正面のクラブでやっていたグリーンミルクにちょこっと会う。ライヴはもう終わっていたのだけど、場の空気感から相当ヒートアップした事がうかがえる。町田さんのレンタカーで帰宅。Hideout横の駐車場は料金が寄付制だった。