Dangerous Mind

Dangerous Mind

買い物をして考える事

家から徒歩10分圏内に数件スーパーがある。例えば近所に、このスーパーと同じくらいの大きさの食料が常に満タンになっている警備員付きの倉庫を借りるとしたら、仕入れや借賃で月何百万円もかかるだろう。勿論、その賃料を実際に支払うわけではないから、そう考えると実質的には日々のスーパーでの買い物は無料で、近所にある自分の倉庫の中から、好き放題に食料や生活必需品を取り出して家で使っているのと同じ事だ、と考える事もできる。
また家から5分くらいの所にサウナがあるのだが、これも実は自分が建てたもので、近所の人にも開放して使ってもらっているのだと仮定すると、やはり建設に何億もかかっただろうから、差し引くと日々の使用料などは全くの無料に等しい。
このように、全て自分が建てた、もしくは自分が所有したり、借りたりしている、という風に仮定すると、その建設費や賃料に相殺されるかたちで何もかもが無料で提供されているもののように思えてきた。
勿論スーパーも、サウナも、実際の所有者は営業によって利益を得ているのだが、あくまで個人所有のブツとして、例えばフィンランド人の金持ちだったら個人でサウナを所有していたり、自分専用の食料倉庫やワインセラーを持っているちょっとした富裕層とかとは、実質的にはそんなに変わらない暮らしをしているような気がしないでもない。
勿論、それらの<仮定の上で自分が所有する>施設は、全て見知らぬ近所の人達との共用になってしまうわけだが、自分は心が広いので、自分の持ち物はみんなで使うようにしている、と考えるとしたら、これら個人で専用施設を所有する富豪との実質的な違いは何なのか。気持ちの問題か。しかしこちらの考え方の方が、気持ちの上でも領主クラスの一段上の余裕があるまいか。
という考え方も、別に間違いでは無いような気がする。
(でも人前で、俺が建てたんだとか、うっかり口走っちゃダメだよ)