Dangerous Mind

Dangerous Mind

秋葉原グッドマンでライヴ。対バンで、佐世保から来ていた「嘘つきバービー」がかっこよかったけど特に交流はせず(ライヴハウスで出会う人たちには滅多に話しかけないし、話しかけられたとしても会話が40秒持たない。どうにかしたいと五年くらい前から思っているけど、ダメなループに入ってしまっていて一つも改善されない。もっと自然にフレンドリーな感じが出せたら客も増えると思うんだけど。)、一人で東京駅へ向かう。イヴェントの司会をするためだけに大阪へ。そして翌々日には初めて乗る飛行機でLAに飛び立つのだ。自分で考えてもかなり謎の行動で、頼まれれば何でもやるような人間にいつの間にかなってしまっているようだけれど、別にその事は構わない。
深夜バスに乗って関西方面に行くのは、これでもう何度目だろうか。長時間、電車やバスで移動するのが大好きで、目的地に着くととても残念な気分になる。何らかの理由で降ろしてもらえずに、そのままただ単に往復する事になってもいっこうに構わない気分だ。これまでも各駅停車やバスで、関西、四国、青森にも福岡にも行ってきたけど、到着後の事よりも移動中の、何もせずに前の座席ばっかり眺めている退屈な時間が、人生の中の甘い飴のように思えてくる。
朝六時に着いて、駅内の食堂「浪速」にて朝食。翌日からのアメリカ旅行について考えようとするのだけど、何だかボンヤリとしてしまっていている。本当に自分が行くのかどうかはっきりしないレベルで、その事を考えると靄がかかったように頭がボーっとしてくる。とりあえず、持って来ていた手帳に「ぼんやりしている」と四回くらい書きこむ。
イヴェント開始まで暇だったので西成の街を散策。住民の95%がオッサンで、4%がオバちゃん(残り1%は自分)。露店が盛んだけれど、特に欲しいものは無かった。誰とも一度も目が合わない。宿は800円〜1500円くらい。そのうち住みたい街リストの一つに加わるが、受け入れてもらえる自信はあまり無い。
大阪のイヴェントは会場内に四つのステージが作られ、同時進行でのライヴペインティング、養蜂場直送のハチミツ酒含む特設フード売り場など、盛りだくさんのいかにもぷりぷり君らしいお祭りだったが、動員的には奮わなかったようだった。「自由」という人と、終了前のセッションのよっちゃんのハジけっぷりが良かった。自分の司会は特に存在している意義を感じなかったが、これは予想の範囲内の事だった。
開演前に入った新世界のお好み焼き屋のきれいなおばさんに、東京都知事選の事を色々教わる。黒川キショウという人も若尾文子も全く知らない俺は、このきれいなおばさんにアホだと思われていないか、心配だった。石原と中松と桜金造以外にも候補者はおるんやな、当たり前か。そういえば以前、山下学園というバンドをやっていた時に桜金造と対バンする話があったのだけど、何かの理由で流れてしまった。今思えば、残念、でもないな、別に。
イヴェントが終わって、素早く移動して東京行きのバスに。途中、何度か電車や道を間違える。バスに乗り遅れると、翌日の飛行機にも乗れず、アメリカに行けなくなってしまうので最大限の力を出して路線図を読んだのだけれど、やっぱり間違えて逆方向の急行列車に乗って5駅くらい進んでしまい、難波に着いても駅員さんの説明が適当すぎてバス乗り場が見つからず、危うく乗れないところだった。ストレスで胃が痛む。今から考えても別に笑い話にはならない。
深夜バス。張り切ってMP3プレイヤーに入れてきた沢山の音楽を5分だけ聴いて、後は寝ていた。移動の何が好きかというと、振動が好きなんだな、多分。二年くらい前に見た「バイブレータ」という映画を思い出す。

西成。青木雄二の漫画の世界とだいたい同じ。

ブリッジのステージ裏にあったピアノ。真ん中の方に出ない音があるけどとっても好きな音。ブリッジは七月で無くなってしまうとのことで、本当に、本当に、残念。

ブラジルから来日していたTiti Freakさんとヨシカワシューゴさんのコラボレーションによるライヴペインティング。titiさんはとても洗練されていて、何と言うか、2000年代のプロの仕事やなーと思った。