Dangerous Mind

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下北沢でハズレッシヴの練習。新曲が次々完成し、11月5日のライヴに向けて調子は上々なので楽しかった。終わった後、代々木公園で小川さんが開いていた喫茶店「エノアール」が公園の管理事務所からの区画整理の対象となり移転するとのことで、そのクロージングパーティー的な催しに行く。テント村(青いビニールテントの住居が集まって出来ている公園内のアンオフィシャルな居住区)には初めて行ったのだけど、とても静かで、みんな電気もあんまり使っていないようで、東京のど真ん中にこんな場所があるのは不思議な感じがした。自分のような無責任な立場の人間からすれば、子供の頃から憧れていた、理想的な何かがそこにはあるような気がしたのだけど、だからといって、明日からここの村の住人になりたいか、なれるか、と聞かれれば、それは無理な感じがした。色んな意味でそういう風にするには覚悟が足りないし、覚悟する必然性みたいなものが自分には薄いのだと思った。
小川さんの表現は実生活と表裏一体で、テント村に住み始める以前は色々な人の家に短期間の居候をする生活を数年間続けていて、その経過を『居候ライフ』という新聞のようなものにして発行していたし、10年くらい前に行った沖縄旅行の話も先日本のかたちで出版していた。自分はどうだろうか。壁と屋根とトイレと風呂があってパソコンが二台、ギターが三本あり、月に大体3500円分くらいの電気を使う今の生活は、どの程度自分がやっている音楽と近くて、どの程度遠いのだろうか。遠くなっているとすれば、その距離の理由はなんだろう。また、近さ、遠さ、というのが自分にとってはどんな価値を持っているのだろう、と、そんな事を考えた。
公園内の屋台のタコ焼、お好み焼の匂いに嗅覚を刺激され続けていたうちら一行はエノアールのイヴェントを中座して渋谷のお好み焼屋に向かった。飲み食いしているうちに、しんちゃんはそろそろサングラスをかけ始める時期なんじゃないだろうか、という話になり、そのままメガネスーパーに行って買った。人が探していると自分も欲しくなってしまい、金がなかったから借りて買った。

平壌HMVにて