Dangerous Mind

Dangerous Mind

無力無善寺で月イチイヴェント。今回タイトルは「OKAMOTAROW」。物凄い一夜だった。

この日は自分らも含めて出演バンドすべてライヴが調子よく、お客さんも満員で場の熱気やテンションがグングン上昇。出番ラストのじゃみへんは、持ってきた機材を全部車に忘れて上半身裸で登場。しばらく何か叫んだり、自分の体をペチペチ叩いたりして会場を大いに沸かせ(テンション上がってたから何でも盛り上がる)、無善法師も「久々の傑作ライヴだよ」とか言って喜んでいた。のだけれど、ここですんなり幕は引かない。じゃみへんがアンプを二段積んで跳び箱みたいに飛び越えようとして当然のように失敗。アンプを派手に倒してしまい、普段から店の機材を壊されまくって怒り心頭の無善法師は、0.5秒でステージに瞬間移動。じゃみへんの髪を持って引きずり回し殴りまくる。このとき法師はそれまでのライヴの流れで盛り上がってワンピースのミニスカートみたいなのを着ていて、そんな52歳の丸坊主が裸のガリガリ26歳を引きずり回して、殴っている図は面白すぎたけど、状況が状況だけに誰も笑えず会場はシーンとしていた。じゃみへんは正座させられ「機材壊すやつは永久追放」とか書いてある注意書きみたいなのを声に出して読まされ、法師の言い分は全面的に正しいので誰も止めに入らず、会場は依然として沈黙。
そしたら法師も怒り過ぎたと思ったみたいで、まあ今回だけは大目に見てやるよみたいな感じで永久追放は免れ、和解。「殴ってごめんね」とか言ってじゃみへんにバックから交尾するマネとかして、お互いハグしてめでたしめでたし、大団円で幕。

と思ったんだけど、甘かった。法師がつい、じゃみへんに「最後に何か一曲かけてよ」と言ってしまい、じゃみへん戸惑いながらも尻ポケットから一枚のシングルCDを取り出す。曲はSPEEDの「BODY&SOUL」。音楽がはじまると、法師は木の切り株型の椅子の上で自分のミニスカートをめくったりしながらダンスをはじめた。きっと、ライヴを最後まで楽しい感じに終わらせなきゃと思って、内心怒りがおさまってないのに踊ってくれていたんだと思う。なんて素晴らしい店長なんだと、会場みんな感動し、楽しく、幸福な雰囲気が辺りを包んでいたその時、曲の二番が終わった間奏のあたりで、突然切り株がグラっと傾いて、法師、床に落下!再び大混乱の会場、とりあえず起き上がりエンディングまで踊り続けるのだが顔は真っ青。ソファーにうずくまって動けなくなり、救急車を呼ぶ。救急隊員の人はミニスカートの法師を見て「このまま運んで良いんですか?」ときいていた(そりゃそうだ)。最後、寝台にのった法師を記念撮影して第一回「OKAMOTAROW」は終了。芸術は爆発なんだと思った。一生忘れられない日。イヴェントやってて本当によかった。