Dangerous Mind

Dangerous Mind

仕事

最近ようやく、この年になって初めて考えた事といえば、できる事をやる、というのが「仕事」なのかなという事で、できるかどうかわからないけど、自分を信じてください、取り敢えずやってみます、というのは、多分仕事ではない。
自分自身の事で言えば、CMとかで作る音楽は前者で、バンドは後者である。
できる事をやる、というのは捉え用によっては消極的な態度に思えるかもしれないけど、できるかどうかわかりませんが自分を信じて発注してください、というのも、発注者にとっては無責任な態度である。なので、自分が現時点で確実にできる事をやるので、その対価をいただきます、というのが真っ当な取引であるように思える。
それと比較して、自分がやっているバンドは全然そんな事ないというか、自分たちが確実にできる事だけ、着実に遂行していったとしても、別に誰も何も面白くない。
いや、多少は面白いとも思いますが、そういうのは他の方々がもっと上手い感じにやった方が良いのかなーと思う。
なので、仕事においては確実にできる、という事の幅を日々増やしていかないといけない(これは結構大変な事であるが、そうしないとやがて行き詰まる)し、バンドにおいては、むしろその時点で出来ない事をやらないといけない(これが大変なのかどうかは、考え方による)。
そして、こうやって書き出してみると、結局両者が一つのシステムとして、リンクしていたりする。
補足として、自分の中で、この二つのスタンスは明確に区別されるものだが、それでいて両者ともにある程度の幅はあって、例えば映画音楽になってくると、そのスタンスは二つの中間あたりに当てはまるように思われる、というのは90分の長編映画を最近やってみて思った事だ。
さらなる補足として、ある仕事を始める時に、確実にそれができるかどうかなんて、自分も含めて誰にもわかりっこない。そういう人間(要は数年前の自分)を信頼して、また恐らくできなかった場合の保険も用意しつつ、発注してくれた人の度量に感謝するし、結局そういう態度こそが人を育てるのだろう。