ヴァルシュカ

ヴァルシュカのために場所を空けろ

君は太陽だ
動かない
太陽だから

君は地球だ
地球は初めここにいるが
太陽の周りを動き出す

今から
説明してみせる

凡人でも永遠について理解できることを

さあ　僕と一緒に無限の中へ踏み入ろう


そこは不変の世界
安らぎと
そして
平和と
はてしない空（くう）がある

想像するんだ
この限りなく豊かな静寂の中
至る所が　漆黒の闇である様子を


そこでは
あいまいな感情しか感じない


初めは目にしている出来事が気にならない
燦然と輝く太陽が
いつも熱と光を注ぐ
地球のこの側に


ちょうど向きが変わり
僕らは日差しに包まれる
彼は月だ
地球のまわりを公転している


（しばらく回転）


次は何だ
突然に起きる
月の表面が
燃え盛る太陽に切れ込みを入れる


切れ込みは暗い影となり
しだいに大きくなる
影が覆うにつれて
三日月型の太陽だけが残る
まばゆい三日月だ


さて次は何だ
次は昼の一時頃の出来事だ
最もドラマチックな変化が起きる


そのとき
大気が急に冷たくなる
感じるか
空が暗くなり
あたりは真っ暗に
犬達は遠吠えし
ウサギはうずくまり
鹿は逃げまどう
この物恐ろしい暗がりの中
鳥たちでさえ
うろたえ　ねぐらに帰っていく


そして


完全なる静寂ー


（ここから音楽）


生き物は動かない


丘が動き出すか
天が落ちてくるか
大地が足元で割れるか


分からない
皆既食が起きたのだ

でも平気だ
恐れる事はない
変化は続く
白熱した太陽の球面から
月がそろりと離れていく


太陽がふたたび現れ
地球にゆっくりと
光を注ぐようになり
また暖かい大気で満たす


暗闇から解放され
誰もが感情豊かになる




（店主）
帰ってくれ

大酒飲みが