Dangerous Mind

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○月△日 劇中全編にowkmj「2」からの曲を使った船曳真珠監督「錨をなげろ」の試写で五反田イマジカへ。昼の品川方面って適度に人口が少なくて(というより、人口に対する道路の表面積が広くて)好きだなー。次、越すならこっちの方もよいのかも。イマジカの試写室は壁が漆黒で、空調の音も静かで、とにかくハイクオリティな感じでした。
映画の音楽に関しては、監督の使い方が大胆で、そういう所は基本的に好きなのだけど、ここは画面に合わせて別の雰囲気の曲を作りたかったなあ、と思う部分があるのも確か。次は、既成曲と劇伴用に作った曲のバランスによって映画全体のダイナミズムをより演出できたら、と思います。
というわけで次回作もオファーお待ちしてまーす。
しかしこういう試写ってのは自分の音楽がかかる部分でとにかくドキドキする。ライヴじゃなくて既に録音物として定着している音源を、自分も含めた大勢の人で聴くっていうのは・・。 


○月△日 こちらも音楽を担当した大野敦子監督「感じぬ渇きと」の試写で京橋の映画美学校へ。3月に渋谷のユーロスペースでおこなわれる女性監督ばかりを集めたイヴェント「桃祭」で上映されるのです。昔は映画の監督っつったら殆ど男ばっかって印象あったけど、最近はそうでもなくて個人的に出会う人も女性が多い。この日も女性作家の短編ばかり10本で、それぞれ面白いのもあったり、ピンと来ないのもあったり・・・一本、竹田くんが音楽やってる作品もあったな・・
「感じぬ渇きと」に関しては全体が10分ちょいの本当に短いお話で、そのラストの40秒満たないくらいのシーンに音楽をつけたんですが、随時監督のやり直しが入って最終的に合計6バージョンも作りました。それぞれ自分的には面白い感じになって、つける音楽によって本当にシーンの意味合いって変わってくるなあと大変勉強になったのだけど(クイックタイムが手もとにあるので、それぞれ全部見せたいくらい)、締め切りギリギリ最後になって、ようやく監督の意図に沿うものを提出する事ができたので、それは本当に良かったです。全体の流れからみてもちょっと異質というか、あんま女性っぽさが無い作品で(もっと言えば邦画っぽい感じもあんましない)地味かもしれないけど鈍い光を放っていて良いな、と思いました。ちなみにこの作品、録音が「パビリオン山椒魚」「コンナオトナノオンナノコ」の冨永昌敬監督なのです。3月上映なので、お楽しみに!
それから新宿へ。sony製のヘッドフォン(サンレコの特集にのせられ)、レディオヘッドの新譜(これもサンレコか)など購入。レディオヘッドに関しては、好きでもないのに新しいのが出ると買っている。興味があるから買ってしまうのだと思う。で、家で何度も聴いて「やっぱり好きじゃねえなあ」と確認するのが恒例行事になっている。今回はどうなのか。そして、うちらもそのうちそういうポジションには立てないものか。


○月△日 西武新宿駅の切符売場で足下に百円玉が転がってて、これはラッキーと、しかし落とし主が現れていきなり殴られたりしないよう、あたりをよく見廻したうえで拾う。で、カヒミ・カリイのCDなど聴きながら(ジム・オルークの曲が良い)、今日も一日良い日だったなと伏見の改札を通ろうとすると、なんと定期券が無いではないか!そんなアホな、と思いながらよくよく思い返すと、西武新宿で百円拾うためにしゃがみこんだ時、財布が広げっぱなしだったような気がする・・・きっとあの時だ・・・周りに気付かれないようにするのに必死で、手もとの財布のことまで頭が回らなかったのだ・・・!!!
少年時代を思い出す。近所の山でお賽銭泥棒(最近、同名のバンドと知り合ったのだけど、俺の方が本物だと心の中で思った)したその帰り、自転車のカギが失くなって長時間山道をヒイヒイ言いながら自転車を押して帰るハメになり、一緒に泥棒したY君の家からはその日の夜、なんと火が出たのだった!!(ボヤだったけど)。信賞必罰、悪いことをすればかならずバチがあたるのだ・・・が、百円で定期って、神様それはエビでタイを釣りすぎってもんじゃあないですか、私ももうあの頃とは違って立派な大人で、色々な事を踏まえたうえでこの場合は道徳的に拾ってオッケー、と判断しての行動だったんですぜ・・・と、怒りの葡萄のトム・ジョードの口調で呟きながら帰宅。そしたら翌朝早くに駅から電話があって、定期券は親切な人が西武新宿の駅に届けてくれていたのでした(どうもありがとうございました)。捨てる神あれば拾う神ありじゃ(意味違うか)。