Dangerous Mind

Dangerous Mind

かなり疲れていた。コンビニで「本当にあった泣ける話」というブ厚い漫画雑誌を立ち読みしていた。それぞれの絵や話の省略具合や、(主に作者の都合による)強引な登場人物の死、ありえない設定や、起こりえない偶然、そもそも「泣ける」というハードルの設定が物凄く低かったり、ハードルそのものがどこにあるのか最後までわからなかったり、ところどころポツポツと普通に良い話が載ってたりと、全体としてとても芸術的なものを感じ、超芸術トマソン的なメーターが右に振り切れてしまったので、買った。一瞬また家にゴミが増えるのか、と思ったけど、帰って読み返してみると、これは本当に自分にとって価値のある本だと気付き、マルホランド・ドライヴを余裕で越えそうな収録マンガのミステリアスなストーリー展開を追う間に朝になってしまったりした。意図せぬところで完成されてしまったものには、自然の景観や風化した建物などと共通する圧倒的な強さがあって、それには全くかなわない気がする。