Dangerous Mind

Dangerous Mind

高円寺で望月さんとライヴ。定期的にスタジオに入っているグループ以外でライヴする時は、なるべく事前に何も考えないで行き当たりばったり演奏したいなと思っている。なので、一日ライヴの事はなるべく気にしないようにして、会場の場所も間違えて、道に迷って、チョコレートを食いながら、着いて、演奏した。主に椅子とフィードバックとギターを利用して望月さんとのデュオを40分間楽しんだ。やってる時はさっぱりわかんなかったが、帰ってから録音をチェックしてみたら音楽として、とても好きな感じになっていた。惜しむらくはフィードバック音をディレイでちょっとピューっとやりすぎた所で、ついつい派手な音が出ると面白くなって繰り返してしまうのだが、それがいかにも安っぽく、おっさん臭く、雰囲気を壊していた。それ以外は良い感じだった。意識的に、相手が出してくる音を聴く真剣さの割合を三段階くらいに調整しながら演奏してみたのだが、そうするとつかず離れずな感じの合奏になっていて、その辺はやってて面白かったし、結果として音にもあらわれるようだ。他人との間にある程度の距離があるのを好む傾向がある自分としては、満足いく効果が得られていた。
昔に比べて、ライヴを見たお客さんがどういう風に思ったかとか、そういうのが気にならなくなった。他人の感想が良くても悪くても、どうでも良いと思える。目指すモノにもよるだろうが、自分にはそういう気持ちが大切だと思う。客の印象を気にしている余裕があるくらいなら、その時起こっている音楽にもっと集中して取り組むべきだと思う。そっちのがよっぽど誠実だ。誠実であれば良い音楽になるというわけでもないけど。
世の中に色んな価値の序列、色んな「良い」「悪い」があるけど、自分がやっている事が、そういう他人の目を通した「良い」や「悪い」にどういう風に該当しているのかチェックしながらやるような音楽は弱いし、必要ないと思う。受け手に対して上目使いで発される不実な思いやりは思い上がりだと思うので、その時その時の本気のファイナルアンサー、個人的「本当」を投げられればそれで良いと思う。そして、そうやって投げられた対象物を好いたり嫌ったりする受け手の自由の領域は、決して侵されるべきではないと思う。トン・ゼー聴いて寝る。