Dangerous Mind

Dangerous Mind

朝、ウータン聴く。それぞれの粗さで録音されたサンプルが組み合わさって一つの曲になっている、という事は、何故こんなにも興味深いのか。ハイファイなスネアとかなり粗い感じのキックのリズム上に、まあまあきれい、くらいの音質のギターのサンプルが加わって、しかもそのギターの裏にはもともとの録音に入っていたであろう金物が減衰している音だけが残っている、みたいな、時間軸が3Dの音楽が鳴っている上にラップがのってて、もちろん一つ一つの音に音程やリズムや音色や強弱や質感があって、と考えると頭が変になりそうなくらいややこしく、情報量の多い音楽だが、結局のところトータルでボトムが太くて煙っぽい音に仕上がってるから、かっこいいんだなー、と思った。
コードの進め方や旋律について分析するのが楽理だとするなら、サンプリングした音源の組み方、積み方について、ある程度体系的な理論をたてる事は可能なのだろうか。聴いてて良い感じだったらそれが正解だ、っていうやり方に、ピアノで作るような音楽に比べて、よりいっそう近い世界だと思うのだが、その良い感じ、というのは一体何なのか。良い感じ、の根拠を追う事はどこまで可能でどこから不可能なのだろうか。
昼、ハズレッシヴのスタジオ。下北沢。今日は音量がほどよくて、お互い見通し、聴き通しがよく、良さそうな曲が幾つかできた。
夜、高円寺。俺はこんなもんじゃないのライヴ。無力無善寺では毎月最後の日曜日にイヴェントを任されていて「ボーナスステージ」というタイトルで、その名の通り気楽にラッキーな感じでやっている。その五回目。出演は他にアベミキ、パーセンテージ・ホセ、MACOGHARI、DJじゃみへん。耳を鍛えている成果が出た感じの演奏。ちょっと大人しくなりすぎたかも知れない。耳はまだ十分鍛えられてはいないので、不信と不安は絶えず生まれる。演奏中にその二つに足下を掬われる事はよくある。まだまだ余裕で跳ね返せる程強くはなっていないので、その二人に出会いそうな場所では注意深く歩を進めている。だから、その後でもっとやれる、とも思うのだが、そんなの嘘でそのポイントが自分の実力だ、と思う。
帰宅。巌窟王を見返す。素振りして寝る。