Dangerous Mind

Dangerous Mind

写真

録音と写真は似ている。
音そのものよりも音の先にある、演奏者の思念や意思のようなものを写したいが、それは本来写せない、写るはずのない現象である。
現実にはないはずのものが写ってしまっている、心霊写真を撮ろうとしているようなものである。
ミキシングは写した素材を、濾過させたり、滲ませたりする過程で、ある何かが浮かび上がってくる、ような感じがするポイントを、固定化させて台紙に定着させる作業である。
またアングルや明度の違いによっても、見え方が変化してくる。
そしてそれらは全て総合的に判断されるものなので、必ずこうすればこうなる、というような定石は存在しない。
というような事までは教わった。
カメラやマイクを使用した、現実を写しとるための技術は20世紀に大きく発展した。