Dangerous Mind

Dangerous Mind

池田くんの本

BIGスパゲティ池田君の処女小説「狂うなら狂え」がとても面白かった。
大まかに言えばバンドが成功したり失敗したりの紆余曲折を描いたような、そんな話なのですが、異様に規模と地域が限定された「アイデン&ティティ」というか、インターネットによって去勢された「ガセネタの荒野」というか、それでいて「キャッチャー・イン・ザ・ライ」みたいな普遍的に青い焦燥や、アーサー・ラッセルの評伝に漂っているような類の時代の空気感みたいなものもあり、要するに大柴ようすけの「サイケデリック武勇伝」がもっとちゃんとした日本語で書かれて読みやすくなったような、そんな作品だったような、気がします。
どこで売っているか、そもそも売っているものなのかどうかも含めて良くわかりませんが、面白くてタメになるので機会があったら是非読んでみてほしいです。