Dangerous Mind

Dangerous Mind

ヤノ一家がうちにやってきた。ヤノ家の長女はまだ赤ちゃんで、俺は傷付きやすい赤ちゃんには最上級の注意をはらって接していたのだが、そうすると不信がられて泣かれたので、今度は割と大雑把に、フランクに接するよう努めて、その辺にあった卓球のボールとか投げたりしてたら、自然に打ち解けて仲良くなれた。二人で遊んでいると自分も子供になったみたいで、とても楽しかった。会は山有り谷有りで色んな話が出来て、料理も美味しく、とても充実していた。一家が帰ったあと、おみやげでもらったオバケのQ太郎3巻を読んで、とても懐かしかった。オバQは権利関係で再出版するのが難しいらしく、書店では手に入らない。古本屋でたまに見かけると、かなりの高値がついていたりする。オバQの登場人物やストーリーは、藤子不二雄だけでなく、仲間だった漫画家たちが、みんなであれこれアイデアを出し合って考えたものらしく、それで、後になってこじれてしまって、世の中に出せなくなってしまったらしい。藤子・F・不二雄が何年か経って描いた『劇画オバQ』という漫画では、Q太郎以外の登場人物がみんな大人になってしまっていて、Q太郎はオバケの国に帰ってしまうのだが、現実でも、まさに似たような事が起こっていて、とても悲しい話だなあと思ったし、でも、しょうがないのかな、とも、思った。生きていれば、それぞれのかたちで、子供のままではいられない事を実感するような出来事を経験するのだと思うが、そういう時、少しでもマシな態度がとれれば良いなと、本当にそう思う。