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ちょっとした理由があって、昔見て絶望した「レクイエム・フォー・ドリーム」をもう一度借りて見る。
エンドロールのサウンド・ミキサーのクレジットにKEN ISHIIとあったけど、まあ普通に考えてテクノ界の人とは同姓同名の別人だろうと思う。
内容的に,今自分が映画に求める要素はほぼ無いので（今は「セーラー服と機関銃」みたいな無鉄砲なくらいポジティブな映画をひたすら見続けたい気分だ）、まだ見返すタイミングではなかったのだけど・・。
しかし意を決して見返してみると案外キツくなかったのだった。全編が細かいアイデアにあふれていてテンポ良く、機能的に作られているからだと思う。
尺も短いし、手話のドラッグディーラーとか、アメリカの田舎の白人ばかりの病院に黒人が１人座っている時の周囲の視線とか、転落していく若者の三者三様のバックボーンの描き分け方とか、設定が細かくて面白い。
熱心に映画が好きな人からすると、こういう作品が今一番絶妙に古臭く感じるようなものなのかもしれない、とか一瞬思ったりもするけど、確かに仮にフェイヴァリットがこの映画だったとして、ちょっと聞かれても言い淀んじゃう感じは何となくあるけど、まあそんな事はどうでも良くて、良く出来ているものを見るのは、それだけで楽しい。もちろん勉強にもなる。
昔はもっと感情移入して見てしまった気がするけど、今回そうならなかったのは青春が終わったからか。